#96 その敵

1 鈴木健『なめらかな社会とその敵』って本をたちよみ。 主な論点をならべると...2 社会というものを生態系のメタファーでとらえる(社会生物学) 生態系というものをコンピュータのメタファーでとらえる(数理生態学) 社会というものをコンピュータのメタ…

#94 影

気になることがみつかって、調べたい言葉をネットにいれると、ときどき誰かの日記にぶつかる。 変な言葉が多いせいか、そこには、考えることがおれとよく似て、しかし日々に対してとても絶望的になっている人がいる。 もうひとりの俺だ、と思う。 たぶんそい…

#93 きめぜりふ

円城塔という人の小説を難儀してながしよみした。 これに意味があるとは、まったく思えない。 ネットの記事に、この人がフィリップ・ソレルスが大好きで筒井康隆が大嫌いと書いてあって、なるほど、おれとは逆と思った。 きめぜりふ、さして意味のないきめぜ…

#92 理論と批評

1 竹内啓『社会科学における数と量』という本がとどいたのでパラパラめくる。 おれはハタチの頃こういうことやりたかったんだなぁ、と、しみじみ。 ものにならなかった。 数とか量というメタファーによって人という現象を語ることの、可能性と限界について。…

#91 トンデモ理論の起源とは?

1 こうして夜中にネットをみると、端からみて何を言っているのかわからんトンデモ理論のようなものを振りかざしているページを、いくつも見つけることができる。 これは何だろう? 20世紀のシュルレアリスム美術に「自動筆記」という表現方法があったのを思…

#90 科学技術をよく考える

科学技術をよく考える―クリティカルシンキング練習帳―作者: 伊勢田哲治,戸田山和久,調麻佐志,村上祐子出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2013/04/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る1 伊勢田哲治, 戸田山和久ほか『科学技術をよく…

#89 技術

1 【 高専はすごいのでぜひ行ったほうがいい 】 http://kur.jp/2013/08/06/kosen-sugoi/ このような、専門性をみがいて熱くなっているエンジニアについて、人はよく「オタク」「視野狭窄」「秀才」というようなステレオタイプを貼るが、私はそれについて違和…

#88 文化現象の4類型

1 あらゆる文化現象を大きく4つに分ける。 もちろん中間形態もあるが。 a: ハイカルチャー:鍛錬と選抜(やる人は少ない, 他人に見せることが前提) 例: ピアノ演奏, 数学, 将棋, 箱根駅伝...b: マスカルチャー:勢いと人気(やる人は多い, 他人に見せるこ…

#87 未来都市

メタボリズムの未来都市展──戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン作者: 株式会社 新建築社出版社/メーカー: 新建築社発売日: 2011/09/01メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る1 おととし開かれた「メタボリズムの未来都…

#87 何が意義深い問題なのか考える

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」作者: 安宅和人出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2010/11/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 48人 クリック: 660回この商品を含むブログ (145件) を見る1 まわりの「意識高い系」の人たちがすす…

#86 パックマン

1 高崎聖子ちゃんという子がみつかってしまった。 普段は名古屋のメイド喫茶にいて、グラビアアイドルになりたいらしい。 カマトトぶって誰にでも愛想が良くて、しかし知らないうちに人を振りまわすことをよろこんでいる女の子。 2 こういう若くてズルい女に…

#85 連れてって

1 パトリック・マシアス『オタクインUSA』って本をよんでる。 「OTAKUってのは、単純な出世ゲームしかないアメリカの地方都市に暮らす、おれみたいなメキシコ系3世の故郷喪失者みたいな連中にとって、生きるための神話、新たなる希望なんだ」って話に、涙が…

#84 誰にでもチャンスがある

【 矢口真里(30)「もう誰も信じることが出来ない」 】 http://bit.ly/1aobJwr なんだろう。 横浜のなんもない郊外から身ひとつで出てきたこの人にとって、「イケメンと取っ替え引っ替えやる」というのは、自信をつけるための儀式だったのだろう。 こういう…

#83 退屈のさばき方

1 本屋さんへいって、田辺元『種の論理』という本を手に取ってはまた棚に返して、そんなことを10回は繰り返した。 このごろ、「種」という概念についての考えが立ちはだかる。 たとえば「あの人はベルリンの人です」と言うとき、この文には、どのくらいの重…

#82 最新流行

1ファッションフード、あります。: はやりの食べ物クロニクル1970-2010作者: 畑中三応子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2013/03/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (14件) を見る畑中三応子『ファッションフード、あります。はや…

#81 東京劇場

東京劇場―ガタリ、東京を行く作者: フェリックス・ガタリ,梶洋哉出版社/メーカー: ユー・ピー・ユー発売日: 1986/04メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (6件) を見るフェリックス・ガタリ他『東京劇場―ガタリ、東京を行く』って本を、古本…

#80 Funnyville

1 実家の近所の男の子が、25歳で建築の個人事務所をはじめた。 作品写真がネットにあって、のぞいてみると、自分の事務所、親戚の家など、いろいろ仕事をしているらしい。 彼のうちは大きな農家の本家で、不動産仲介業をいとなむ親戚のおじさんが後ろ盾につ…

#79 共同体主義とか

清水知子『文化と暴力―揺曵するユニオンジャック』って本をたちよみ。文化と暴力―揺曵するユニオンジャック作者: 清水知子出版社/メーカー: 月曜社発売日: 2013/05/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見るサッチャーからブレアまでのクールな…

#78 The Hissing of Summer Lawns

1 どこに居住していても、周囲との齟齬感が埋まらぬ。という人は意外と多い。 知り合いが研修医をしていて、名大をやめて地元の医大に入ったのだが、友人がおらず、今も馴染みのレコード屋にかよってジャズ研の友人と会うために、休日ごとに高速道路に乗って…

# 77 全知全能

1おどろきの中国 (講談社現代新書)作者: 橋爪大三郎,大澤真幸,宮台真司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/02/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (34件) を見る橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司『おどろきの中国』という対談を…

#76 あなたの行動を推測する

【 スティーブン・ウルフラム:「地球上で最も定量化された人物」の告白 】 http://jp.techcrunch.com/2013/06/04/20130603keen-on-stephen-wolfram-confessions-of-the-most-quantified-person-on-the-planet/ ある人が生活のなかで何をしたかについて、い…

#75 健康と金の交換

日比谷公園を通ったら、左翼の人たちが建設現場での健康被害について国から金を取る裁判を起こすぞ!って集会をやっていた。 ビトンのバッグを持った女がエイエイオーって気勢を上げていた。 生命保険がボッタクリだって問題もそうだけど、健康と金を交換す…

#74 蒐集・分類

1 NATURE BLISS STORE http://www.naturebliss.jp/store/ おととしまで高円寺にあったレンタルCD屋の店長のかかわるネットCD屋をみつけた。 アンビエント音楽がいっぱい。 しかし、ぜんぶおなじに聴こえる。2 音楽というものに興味があるか、ないかという話…

#73 生活者?

1 NHKに経産大臣とエコノミスト2人(今の政府の経済政策に賛成する人と反対する人)にまじって「生活経済ジャーナリスト」という40代の女性が出ていた。 明らかにものがわかってない人の話し方は、どんなに専門用語を駆使したって、すぐわかるので、調べたら…

#72 異郷幻想と芸術作品

1 【 横浜美術館で「Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術展」 】 http://bit.ly/13L49tK 「東南アジアの現代美術の面白さは、各国の接点と相違点、それら双方が透けて見えてくるところ」 「東南アジアの現代アートシーンはどうこう」「西アフ…

#71 一回性と反復性

(未完成...) 1 菊地成孔のやっているラジオのなかで、1300万曲のデータベースのなかから好きな曲を聴き放題というソニーの新しいサービスと組んだ、「今週のこの曲」というようなコーナーがはじまった。 ジャズといったら即興演奏だが、このコーナーでは、…

#70 噂

【 「住みたい街ナンバーワン」が暗転 防犯カメラ増設 東京吉祥寺 】 http://getnews.jp/archives/330649 このように、実態とは関係なく、噂によって価格が下がる。 うまくやって極小値をねらう買い物生活を送りたいもんだ。 噂によって価格が上がる、その極…

#69 小説

サイゾー 【 ハルキスト猛反発中!? 爆笑問題・太田光“村上春樹叩き”の是非 】 http://bit.ly/18HrDlP 小説から遠く離れて (河出文庫)作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1994/11メディア: 文庫 クリック: 23回この商品を含むブログ (13件) …

#68 天使ちゃんだった

1 こんど、天体観測でヒューストンへ行った人から宇宙のロマンについて話を聞くらしい。 人に呼ばれて出かけることになった。 宇宙にロマンがあるかは謎だが。(そもそも人がいない) まあヒューストンで天体観測は、ニューヨークで株取引とか、ボルチモアで…

#67 歴史?

1 文化現象についての歴史というものをどう考えたらよいか? 先日ジャズが好きという30代の東京の人と話したら山下洋輔の名を知らなくておどろいた。 その後すかさず「彼の世界的な知名度はどのくらい?」と聞かれたとき、こちらが答えられなくて、ちょっと…