2012-01-01から1年間の記事一覧

#14

#14 Brooklyn Neighborhoods

ブルックリン・ネイバーフッド (P-Vine Books)作者: 赤木真弓,藤田康平出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク発売日: 2012/04/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る1 "Brooklyn Neighborhoods" という旅行案内を座りよみした。こう…

#13 旅の本

旅日記のようなものをあつめている。いろんな事情、いろんな目的地・いろんな移動手段...さまざまな形態の旅のそれぞれについて、日本語で書かれたオール・タイム・ベストを決めよう、という試み。 たとえば... ・沢木耕太郎『深夜急行』 ・山口文憲『香港 …

#12 オリンピックとTVチャンピオン

1 ロンドンオリンピックが地元で盛り上がらなかったことを一言で説明すると、internationalism(国民国家間の国際協調) と globalisation(お金を媒介にした諸主体の世界的移動) という仕組みのうち、オリンピックは前者だけを取り出すから、であった。サ…

#11 Lux

ふさぎこんでしまった夜。 よけいなものを捨てて、ほつれたものをほどき、散らかったものを片づける。 たとえばライプニッツは、世界をすっきりと見通せる「普遍理論」を構想した。 手づくりの普遍理論を... つまらぬ思い込みを、もう一層さらに重ね塗りした…

#10 ヤンキーと土曜の夜の夢

「#9 フジパン」の答えはヤンキーであった。世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析作者: 斎藤環出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/06/30メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 120回この商品を含むブログ (53件) を見…

#9 フジパン

1 朝、マクドナルドでパンが来るのを待っていた。 店長の作業風景をみていたら、魂が擦り切れるような、どうにも辛い仕事だと思った。機械のように言われた仕事をチョコマカこなして、しかも仕事は終わりなく大量にあって、しかし「この仕事には何の意味があ…

#8 ネットの書評

1 ネットの書評に得点をつけるアルゴリズムを作れないかな? うまいこと読者にあわせて。 新刊・既刊、大新聞の書評も素人の匿名書評もとりまぜて。 2 今日、本屋へいって生気をとりもどした自分を発見した。 この経済・社会環境で、本屋という業態がいつま…

#7 高速列車

容疑者の夜行列車作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2002/06/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (58件) を見る1 Facebookをやめた。なぜか知らないが、あそこで遭遇した人々は、「一体感って最高!」って右手を…

#6 生肉日和

1 しばらく生肉日和で、いろんなものを見てまわった。 素人投稿、裏物、地下アイドル...こうした生肉にも飽きはてたように思う。 2 こんなにもロボットに魅かれているのは、彼らに感情がないから、かもしれない。 3 荒涼とした場末の夜道、たとえば国道16号…

#5 アデン・アラビア

1 茶道の教室にかようと季節を感じられて日本の伝統に触れられてうれしい、というようなことを言っている女の人に会った。外資系金融会社のプログラマ。 そういうの苦手だから、こないだ、「あなたはアルゴリスティックなことがお好みのようですね」と言った…

#4 青い吐息

1 ふわふわと...空想にふけるのは楽しい。 2 しかし、世俗的な問い...「私の生活はこれからどうなるのか?」「日本人の生活は?」「今の政治家は?」「金は?」「健康は?」といった話がからまってくると、途端に、地べたに頭をこすりつけられるような、蔓草…

#3 KxY

カン松xヌメカナを見た。 被写体の内面にせまること、つまり彼女の外部と内部を空間的・時間的にへだてる境界線をあらわにしながらそれを絶えず侵犯して塗り替えていくことで、恥という感情を引き出そうとするカン松に対し、秘密をかかえた過去の自分のよう…

#2 現場

1 【パナソニック 7650億円の赤字へ】 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121031/k10013146811000.html 2 むかしの同級生がこの会社にいる。彼は近所の中学の男の子。卓球と物理をすごい熱心にやっていた。京大で応用化学をまなんで、エンジニアになっ…

#1 注意散漫

0 散らかった部屋... 夢遊病者の徘徊... 1 毎日いろんな場所で、たくさんの言葉が紡がれている。 紡がれた言葉たちは、新聞やネットの記事になったり、本になったり、酒場のお喋りになったり。 ひとまとまりの実体として、言葉は一応それなりの体裁を整えて…

「わかったつもり」を学校教育はどう解消するか?

「分かったつもり」のしくみを探る―バフチンおよびヴィゴツキー理論の観点から作者: 田島充士出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2010/03/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る0 人がものをわかるようになるのは困難で奇…

街美女

1 テレ玉の「街美女アルバム」って地味な番組がけっこう好きで、もう何年もみてる。埼玉のかわいい20歳くらいの女の子が出てきて、ふじみ野市の喫茶店のパンケーキがうまいとか、八王子のサマーランドで告白されたとか、愛用のピアノとか、小学校の先生の影…

道具的理性ここに極まる

1 道具的理性*1ここに極まる、という実例はいたるところにあるが、先日会ったバイオテクノロジ専攻のプログラマをしている男の子との話は、ひどいものだった。 話の流れから、私がパースの記号論に注目してみたら?と言ったら、彼はその名を聞いたことがなく…

さまざまな遊び人と働き者

1 大塚英志のやってる文学コミケに出してるサヨクの人、いつも反原発デモにかよっていて、界隈ではそれなりに知られた人に会ってきた。物腰はやわらかくていいのだが、ちょっと政治的な話になると、さっぱり。たとえばチリのアジェンデ政権について初めてき…

夢を売る

金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか作者: ハンスアビング,山本和弘出版社/メーカー: grambooks発売日: 2007/01/01メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 246回この商品を含むブログ (47件) を見る1 昔の同級生から、「天王洲アイルの航空会社で働いて3年…

ネット通販

1 村上龍の出ている「カンブリア宮殿」というテレビで「オイシックス」というネットで野菜を売る通販会社のことをやっていた。サイトを見ると楽天よりかなり見やすいね。 2 ネット通販の良いところは、商品についての細かい情報を残せる、中間業者を省ける、…

本が出てこない

1 ロンドン在住のある文学研究者のブログをみて、イプセン『人形の家』を読もうと本の部屋をみたら、これがまったく出てこない。思い立って1分で出てこなくては、わざわざ買った意味がない! 2 分類。30冊くらいを1ユニットにして、各ユニットに4-5桁の番号…

冷蔵庫がこわれた

1 自転車をパクられた。冷蔵庫のコンプレッサーが壊れた。無力感... 2 冷蔵庫は裏を掃除して扉の歪みをなおしたら微妙にうごいた。SHARPの製品を買ったつもりが心臓部はZANUSSIというイタリアの製品だった。イタリア家電を使えて誇らしい。が、ガス充填とか…

篠原雅武『全-生活論』

全―生活論: 転形期の公共空間作者: 篠原雅武出版社/メーカー: 以文社発売日: 2012/04/26メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 254回この商品を含むブログ (7件) を見る1 私はかなり怠慢な読者ではあるが... 2 今の社会には「安全な世界」と「破綻した世界」*…

ハイデガーの講演会

1 分析的でない思考について考えてみたくて、このごろ美術論の古典をちょっとずつ読んでる。今夜はハイデガーについての講演会を聴いてきた。 2 ハイデガー『芸術作品の根源』という本は、今もドイツ語圏で芸術家として身を立てようとする人なら、ほぼ間違い…

サイバー・シティとマテリアル・ガール

1 広島カープのファンになるって、どういう感じなんだろう? 誰かが、ある場所を自分の故郷と認識する、というのは...現実的というより、むしろ記号的というか。 それに気づくと、ちょっと気恥ずかしくなっちゃうね。というのが、冒頭の動画。 現実の国道402…

見たくもないものを見る

人は毎日いろんなものから逃げてる。 ・年とった人は、自分のやりたかった分野で同時代に活躍した人の伝記をみるのが辛いという。 ・貧しい人は、自分にはきっと行かれないであろう外国の風景や貴族的な生活を取材した旅番組をみるのが辛いという。 ・学校で…

科学者

ある分子生物学者のブログを読んだ。 いま40歳前後の彼には、つつましい家庭生活があり、組織への所属があり、よりよい環境を求めての移籍があり、自ら陣頭に立つ組織の運営があり、予算獲得への活動があり、そうした日常の果てに世界新記録がある。 狭い意…

アイロニカル

1 東京の気ぜわしくて空虚な感じに辟易して、「いつか地元に帰りたい」と言う人はけっこういるが、彼らに対して、私はきわめて悲観的な見方をしている。 同胞という意識は、海外に住んでいる親類が時々、土産やお祝いを持って訪ねるときなら素晴らしいことだ…

パラリンピックはアナーキー

パラリンピックを紹介するテレビを見た。南アフリカのピストリウスって義足の陸上選手がすごく速くて「ブレードランナー」と呼ばれているらしい。アナーキーな感じ。熱い。 アナーキーというのは大切な概念だ。阿部和重という小説家がエッセイのようなものを…