#92 理論と批評

1
竹内啓『社会科学における数と量』という本がとどいたのでパラパラめくる。
おれはハタチの頃こういうことやりたかったんだなぁ、と、しみじみ。
ものにならなかった。
数とか量というメタファーによって人という現象を語ることの、可能性と限界について。
2
思うに、メタファーには2つの種類がある。
一方は「ある概念の意味をやわらかくして、他の意味に対して自らを開いていくもの」これを批評とよぶ。
他方は「ある概念の意味をかたくして、他の意味に対して自らを閉ざしていくもの」これを理論とよぶ。
3
社会科学における数量的方法の「理論」的な意味は明らか。
われわれは論証によって隙間なくかたちづくられた普遍的な理論体系を手に入れることができる。
もちろん、論証のもとにある仮定を破壊すれば、理論体系なんて吹っとぶのだが。
では「批評」的な意味は?
比較、にかかわる何か。よくわからん。

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「理論」は怒り、「批評」は笑いか?