2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

#97 真夏の実

1 ちょっと暑いけど夜更けに川沿いを歩きたいような気候になった、土曜の夜。東京から少し離れたビルの3階あたりに、赤いランプを灯したテラスハウスがあって、どこからか集まってきた人々が、めいめいくつろいでいる。 2 もう30歳になりかかる声優さんが、…

#96 その敵

1 鈴木健『なめらかな社会とその敵』って本をたちよみ。 主な論点をならべると...2 社会というものを生態系のメタファーでとらえる(社会生物学) 生態系というものをコンピュータのメタファーでとらえる(数理生態学) 社会というものをコンピュータのメタ…

#94 影

気になることがみつかって、調べたい言葉をネットにいれると、ときどき誰かの日記にぶつかる。 変な言葉が多いせいか、そこには、考えることがおれとよく似て、しかし日々に対してとても絶望的になっている人がいる。 もうひとりの俺だ、と思う。 たぶんそい…

#93 きめぜりふ

円城塔という人の小説を難儀してながしよみした。 これに意味があるとは、まったく思えない。 ネットの記事に、この人がフィリップ・ソレルスが大好きで筒井康隆が大嫌いと書いてあって、なるほど、おれとは逆と思った。 きめぜりふ、さして意味のないきめぜ…

#92 理論と批評

1 竹内啓『社会科学における数と量』という本がとどいたのでパラパラめくる。 おれはハタチの頃こういうことやりたかったんだなぁ、と、しみじみ。 ものにならなかった。 数とか量というメタファーによって人という現象を語ることの、可能性と限界について。…

#91 トンデモ理論の起源とは?

1 こうして夜中にネットをみると、端からみて何を言っているのかわからんトンデモ理論のようなものを振りかざしているページを、いくつも見つけることができる。 これは何だろう? 20世紀のシュルレアリスム美術に「自動筆記」という表現方法があったのを思…

#90 科学技術をよく考える

科学技術をよく考える―クリティカルシンキング練習帳―作者: 伊勢田哲治,戸田山和久,調麻佐志,村上祐子出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2013/04/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る1 伊勢田哲治, 戸田山和久ほか『科学技術をよく…

#89 技術

1 【 高専はすごいのでぜひ行ったほうがいい 】 http://kur.jp/2013/08/06/kosen-sugoi/ このような、専門性をみがいて熱くなっているエンジニアについて、人はよく「オタク」「視野狭窄」「秀才」というようなステレオタイプを貼るが、私はそれについて違和…

#88 文化現象の4類型

1 あらゆる文化現象を大きく4つに分ける。 もちろん中間形態もあるが。 a: ハイカルチャー:鍛錬と選抜(やる人は少ない, 他人に見せることが前提) 例: ピアノ演奏, 数学, 将棋, 箱根駅伝...b: マスカルチャー:勢いと人気(やる人は多い, 他人に見せるこ…

#87 未来都市

メタボリズムの未来都市展──戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン作者: 株式会社 新建築社出版社/メーカー: 新建築社発売日: 2011/09/01メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る1 おととし開かれた「メタボリズムの未来都…

#87 何が意義深い問題なのか考える

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」作者: 安宅和人出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2010/11/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 48人 クリック: 660回この商品を含むブログ (145件) を見る1 まわりの「意識高い系」の人たちがすす…

#86 パックマン

1 高崎聖子ちゃんという子がみつかってしまった。 普段は名古屋のメイド喫茶にいて、グラビアアイドルになりたいらしい。 カマトトぶって誰にでも愛想が良くて、しかし知らないうちに人を振りまわすことをよろこんでいる女の子。 2 こういう若くてズルい女に…