#78 The Hissing of Summer Lawns


1
どこに居住していても、周囲との齟齬感が埋まらぬ。という人は意外と多い。
知り合いが研修医をしていて、名大をやめて地元の医大に入ったのだが、友人がおらず、今も馴染みのレコード屋にかよってジャズ研の友人と会うために、休日ごとに高速道路に乗っているらしい。
第二の故郷。色彩を持たない人生…
2
地上に穿たれた穴と、やわらかい指先。
古いレコードと、なめらかに回る針。
大がかりなハイウェイと、なめらかに回る車輪。
普遍性は個別性を欲しながら、それらを薙ぎたおしてゆく...