#126 バルカンブラス

♪ Fanfare Ciocârlia - Asfalt Tango 1 こういうものについて、やっと語れそうだ。 バルカンブラスというのは、『アンダーグラウンド』って映画で話題になった音楽ジャンル。だいたい西欧(パリ、ロンドン、ウィーン、ローマの四角形の内側)で話題になると…

#125 話し言葉と書き言葉

話し言葉と書き言葉。何かまとまった話を伝えたり、ぼんやり思ったことに一気に形を与えるときは、調子の良さが大切。流れるようなしゃべり。落語。話し言葉。しかし、それはときどき口から出まかせになる。音の調子の良さで数字や順番を変えたり、人の相槌…

#124 ものを買う

家電でも楽器でも、あらゆる商品について、量販店の本店やメーカーのショールームあたりで、技術史と今後の動向がわからん、というのが問題だなあ。売り場の若手が蘊蓄(でなくていいから知識)を身につける余裕がないのはわかりきっているが、「新製品が出…

#123 ライブ・イン・ハトヤ

1 赤塚不二夫のアシスタントをしていた古谷三敏という漫画家が『BAR レモンハート』という作品を描いていて、大泉学園で同名のバーをやっているらしい。酒の蘊蓄と人情噺。いいな。 東京にいると、なんとなく情報過多で気持ちが混雑して、そういう漫画を読む…

#122 電脳高島平

たまにFaceBookを見るときの、おおきな精神的圧迫感。これは何なのか。おそらく、今日は近所を散歩するだけだったおれと、バイクを修理した彼(既婚)と、仲間と山へいった彼女(高度専門職)の日記が、同じ型枠のなかにはめこまれていて、自分の人生がどれ…

#121 芸術作品のたのしみかた

1 芸術作品に対する関わりかた楽しみかたが、よくわからなくなってしまった。 「この人は広島うまれで耳がきこえなくて(ウソ)」ほど極端でなくても、人の名をつけて世に出る作品は、それぞれ固有の物語を背負っている。 2 先日いなかで目にしたのは、「…

#120 銀河のはちぇまで

1 この夏どこかへ行きたいなあと思い、ぼんやり世界地図を見る。 涼しくて、人は少なく、安全で、空気や水がよく、おしゃれで、ちょっと風変わりなとこがいい。 プラハ、リスボン、ビルバオ、ボローニャ、ヘルシンキ、サンクトペテルブルク、ブエノスアイレ…

#119 場末

1 このごろ場末にはまっている。 鮫洲にある洋服屋のアウトレット。 五反田の星製薬跡地の日当たりのわるい建物にある洋服のデザイン事務所。 等々力のはずれの安アパートにある芸能事務所。15歳のアイちゃんを筆頭に、がんばり屋さんっぽい女の子が4人所属…

#118 宝貝好好

1 ♪ ブリリアントグリーン - そのスピードで 春。おだやかな夕べ。 このバンドは京都北山あたりの人たち。 二条駅から千本通りをとぼとぼ歩いて、うちに帰る。 おしゃれなカフェが電気を半分消して、片づけしてる。 あちこちに伊吹文明の選挙ポスターが貼っ…

#117 包み紙

1 ある人が、なんてことない品物を箱に入れて、包み紙に入れて、人に渡す。 ときには配達人を雇う。 もらった人は、それを受け取って、封を開ける。 なんてことない品物が入っている。 家のなかのしかるべき場所にそれを置く。 2 そういう儀礼。なんだかな。…

#116 彼の巡礼の年

1 いまさらながら、村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』という小説をよんだ。古本屋でのんびり。 2 寓話として読むなら、これは20年後の『ノルウェイの森』。 ものをつくるという営みを都会でつづけ、日常の繰り返しに少し疲れてしまった…

#115 工場みたいなところ

軍隊、病院、学校、工場、そういう近代的な機構のすべてが苦手なのだが、これを考えるといつも同じ記憶にたどりつく。丘のむこうに、四角い箱の形をした大きな建物がある。あれが病院。どうやらとんでもない病人たちが隔離されているらしい。うちの母親が脳…

# 114 枠組と残余

1 【 NO STOP CITY by Archizoom 】 https://www.google.co.jp/search?q=no+stop+city+archizoom&tbm=isch 2 ちょっと前に、大企業の営業員のあいだで「ペルソナマーケティング」って手法がはやった。 ある商品を作るとき、それを売る相手について、「武蔵野…

#113 村人と世界

1 【 通称「ツナミ」と呼ばれる韓国ソウル市新庁舎のデザインが問題に 】 http://alfalfalfa.com/archives/6912951.html これはすごいブビブビズム*1。 2 たとえば韓国でのナムジュン・パイクの扱いをみると、いろいろ考えさせられる。 彼は世界最高の韓国人…

#112 映画音楽

1 【 作曲家・梶浦由記さんが作品との関わり方や作曲方法について語る 】 http://gigazine.net/news/20131108-yuki-kajiura-20th-machiasobi11/ この人は有能な作曲家と思うが、本当のことを言ってしまうと、こういう分業体制があんまり好きじゃない。 映画…

#111 合理性って?

1 【 不良資産を利益に変えたスイスの銀行救済劇 】 http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=37216430 スイスすげえ。勝因は、サッサと手を打った点にある。 金というのは信頼のあるところに集まるので、信頼を高めるために「最も合理的な手を…

#110 歯医者まんだら

どこの町にもいろんな歯医者があって、おもしろい。 過当競争の市場を生きのびるために、いろんな戦略をとっている。 人生いろいろ。 類型化すると... 1. 町の歯医者さん 予防に力を入れている。価格の安い保険内治療が主。 頼めば保険外治療もやってくれる…

#109 Stairway to XX

1 仙台のアイドルちゃんの生態をまわりの連中がネットにかきこんだ話をよむと、中学の校内でエッチする場面があって、たいへん盛り上がって楽しそうだ。 もっかい中学に入ることがあったら是非やりたい。 ああいうの、やったことないけど見たことはある。 2 …

#108 本屋さんから町の雰囲気をみる

1 「静岡の谷島屋さんってどんな本屋さんですか?」ときかれたら、「県庁の職員がよく行く店だよ」と答えるだろう。 簡単に説明すると、古典的な名作(太宰治の小説、小林秀雄のエッセイ、司馬遼太郎の時代小説、郷土の偉人伝など)が店のベースをなして、目…

#107 ギャスパー・ノエ『カノン』

カノン [DVD]出版社/メーカー: 日活発売日: 2001/06/22メディア: DVD購入: 2人 クリック: 93回この商品を含むブログ (41件) を見るギャスパー・ノエ『カノン』って映画をみた。 このごろここでよくやってる、誰かについて何かを語るとき、三人称を使いながら…

#106 マンダラ的 - カバラ的

手法論の射程――形式の自動生成 (磯崎新建築論集 第3巻)作者: 日埜直彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る1 磯崎新『手法論の射程 - 形式の自動生成』 なる本をチラチラ読む。 マンダラ的 - カバ…

#105 県民健康管理調査

福島原発事故 県民健康管理調査の闇 (岩波新書)作者: 日野行介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/09/21メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る日野行介『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』って新書をたちよみ。 5分で読んだので見落とし…

#104 ?

磯崎新の昔の本を10冊も借りてきて流しよみ。 この人は建築家を名乗っているが、造形より文筆によっぽど才がある。これは何なのか? アリストテレスにならうと、人間の知的な活動は、構想(テオリア)、政治(ポイエーシス)、制作(プラクシス)の3つに分…

#103 王八

中国の反政府デモの写真を見ていたら、人々が「王八」と書いた看板を持っているのをみつけた。 調べてみると、これはスッポンとかカメの俗称らしい。こっちで言う「タコ」くらいか。 画数の少ない漢字は馬鹿っぽい。「皇帝」に対する「王」とか。 八王子とか…

#102 エンジニアの書く文章の癖とは?

工学を修めてから管理職やコンサルタントをしている人たちの書いたものを、何種類かまとめて読んだ。 いいところを挙げると、具体的で現実的な指摘がするどい。 あらゆる現象をシステムとして考えるため全体像がわかりやすい。 欠点を挙げると、文章がうまく…

#101 つくばセンタービル論争

1 2年前に大塚英志という漫画原作者が磯崎新という建築家に噛みついていた。 しばらく謎だったが、やっと事情がわかった。 2 大塚は筑波の民俗学の出身で、ちょうど学生だったとき、筑波の新しい町の中心に磯崎の設計した大きな建物ができた。 磯崎は当時「…

#100 胎内くぐり

1 【 優しく包み込むような光と色彩。曽谷朝絵展「宙色(そらいろ)」 】 http://www.roomie.jp/2013/09/100787/ きゃー!カワイイー!2 とはいえ、これは現代美術ではなくインテリアデザインだろう。 この30年ほどの流れとして、世界的に、美術作品の価値判…

#99 風の町

1 ♪ Twinkerbell (AMIAYA) - DREAMER'S DREAM 「めをとじ ブルーのかかと みっつ あいずしたら」 2 今日は中沢新一だいすきな22歳の男の子と話した。 ヴァイブスの合わないやつに無理やり愛想を振りまいても、疲れるだけ。というのは中学以来か。 車の組立工…

#98 読書感想文はなぜつまらんのか?

アイドルの子たちが文庫本の読書感想文をかくというイベントのチラシをもらった。 ぼんやり見ていると、どれも内容がかんたんに予想できて、読書感想文という文章の形式がダメなんじゃないかと思う。 これについて、ちょっと考えてみる。 一般に、何かまとま…

#97 真夏の実

1 ちょっと暑いけど夜更けに川沿いを歩きたいような気候になった、土曜の夜。東京から少し離れたビルの3階あたりに、赤いランプを灯したテラスハウスがあって、どこからか集まってきた人々が、めいめいくつろいでいる。 2 もう30歳になりかかる声優さんが、…