#12 オリンピックとTVチャンピオン


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ロンドンオリンピックが地元で盛り上がらなかったことを一言で説明すると、internationalism(国民国家間の国際協調) と globalisation(お金を媒介にした諸主体の世界的移動) という仕組みのうち、オリンピックは前者だけを取り出すから、であった。サッチャー以降のロンドン市民は、国家というより市場に取り巻かれて暮らしている。
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比較対象として、たとえばワールドカップには、いつもは後者(市場)の仕組みの中にいる各クラブの選手が前者(国家)の仕組みで再結集する、という「あえて」の感じがある。
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あと、オリンピックには intersports(いろんな身体運動を「スポーツ」と総称して一望する) という性質もあるけれど、これも、観念としてやや古い。「武道はスポーツなのか?」という問題は、世界中いろいろあるだろう。たとえば中国では囲碁将棋のプロ志望の子は体育学校にいる。
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じゃあ今度からオリンピックで、囲碁将棋やカルタ取り・プログラマ選手権・ロボコン・ピアノコンクール・料理の鉄人ウルトラクイズ... を始めたら... TVチャンピオンのほうがオリンピックより発想としては先をいっているのだ。
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4年に1回(月に1回でもいいけど...)、何かいい感じのアルゴリズム(民主主義?ネット投票?あるいは別の...)で、人々から意見をあつめて、やる種目をきめて、ネット中継で裏オリンピックを開催したら、おもしろそうだ。