#112 映画音楽

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【 作曲家・梶浦由記さんが作品との関わり方や作曲方法について語る 】
http://gigazine.net/news/20131108-yuki-kajiura-20th-machiasobi11/

この人は有能な作曲家と思うが、本当のことを言ってしまうと、こういう分業体制があんまり好きじゃない。
映画音楽は、それっぽいものを後からくっつけるのではなく、監督がどこからかひっぱり出してきた曲をぶつけるほうが、緊張感があって面白い。
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t.A.T.u. - All The Things She Said

たとえば、この歌は2002年の世界的なヒットソングだが、これがまだ全然はやっていないころ、 Lukas Moodysson というスウェーデンの映画監督がどこからか見つけてきて、 ”Lilja 4-ever” という映画に使った。

話の筋は、社会主義政府がつぶれたロシアで一家離散して、エストニアのいなかの団地でひとり暮らす16歳の娘が、スウェーデン人のやさしいお兄さんに会い、ストックホルムに連れられていくが、なんと行き先は売春宿だった、というもの。

社会主義全体主義→万人の万人に対する闘争→資本主義的全体主義という、20世紀末ロシア社会の劇的な変化を映画がうまく切り取っていて、荒廃した田舎町から少女を乗せた男の車が抜け出していく場面に、この曲がぴったり合っていた。
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そういう「偶然かみ合った!」って瞬間がいい。