#99 風の町

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♪ Twinkerbell (AMIAYA) - DREAMER'S DREAM

「めをとじ ブルーのかかと みっつ あいずしたら」
2
今日は中沢新一だいすきな22歳の男の子と話した。
ヴァイブスの合わないやつに無理やり愛想を振りまいても、疲れるだけ。というのは中学以来か。
車の組立工場が家の近くにあって、渡り鳥の子供たちと、よく酒を飲んで朝までダベった。
不良と呼ばれる連中と、部屋がもくもくになるほどタバコを吸って、ドラゴンアッシュを聴いて、SM漫画をめくって、惚れた女の話をきく。
赤松啓介司馬遼太郎の描く江戸時代の若衆宿を、なんとなく身近に感じる。
とはいえ、彼らの日常のなかの満足や快感を理解することはできても、それはおれのものではなかった。
3
いつもだいたい、とーちゃんが夜勤の車の組立工、かーちゃんは何してるかわからんやつの家に集まったが、彼は柔道をずっと続けて、他所の県のおまわりさんになった。他の連中は何してるかわからん。
ユメがカナうかな。ユメがカナうといいね。
風の町を人生が通りぬける...