#41 Actors


Act 1 : Mechanical Machines

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

大野耐一というスゴい名前の、大連うまれ→三河そだち→名工大機械→トヨタ工場ひとすじ50年という経歴の、なんだかヨイトマケの歌から出てきたような人のつくりあげた理論体系がある。
彼のおかげで工場の生産性がとっても上がって、三河は世界一の自動車工業地域になった。
さて、彼の地でいま起きていることは、たぶん「生産性の過剰」「消費の質が低くてつまらん」という事態だろう。

Act 2 : Indians
フラット化する世界(上)
ちょっと前は、インド人・中国人との仕事の取り合い、みたいなことが話題になった。

Act 3 : Computers
コンピュータが仕事を奪う
新井紀子『コンピュータが仕事を奪う』
この本には、はなはだしい違和感がある。
読んでいて、体調のわるい女のかすれ声をきいているようだ。
ひとり娘の小さな女の子に向けて「いい?あなただけはゼッタイ勝ちあがりなさいよ!」って、噛んで含めるように繰りかえす、教育ママのヒステリックな金切り声がきこえる。
このように、一部の人々が勝ちあがって残りが負けると、社会には2つの階層ができて、軋轢が生じる。
さて、これをどう処理するか?
勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

【 コンピュータの発達でなくなる仕事、残る仕事 】
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/lite/archives/1754333.html

最後の人が「結局働かなくても食える社会を最終的には実現させないと際限なく二極化進むな 」と書いている。
もっと言うと、人々は「コンピュータにはできないことをする人」「コンピュータにもできることをする人」にわかれ、「コンピュータにもできることをする人」は、「何かの特権に守られてのんびり暮らす人」「コンピュータとの競争に追われる人」の2種類にわかれるだろう。
3つの階級の境界線はあいまいで、複数の階級にまたがっている人もいるし、同じ人が時間の経過で入れ替わることもある。
で、この3種類の人への富や苦役労働の配分がわるいと、割を食ってる人に相対的剥奪感がうまれて暴動が起きる。そこまでいかなくても、特に2番の人が3番の人からニラまれないようにする*1ために、大きなコストが生じる。
理想的には、人間はどんどんコンピュータに仕事をまかせて、「コンピュータにはできないことをする人」「何かの特権に守られてのんびり暮らす人」の2種類になれば気楽だが...

*1:たとえばこれは、ロシアのロマノフ王朝の領主と農奴の関係だ。21世紀になって、機械・コンピュータがこんなに高性能になったのに、まだこんなことをやっているのか?という感じもする。