#19 住めば都だ

仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)

仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)

怪談みたいなの読みたいな。
実家から少しいった山の上に「都田」という町がある。
森林を切り倒して90年代になって作られた場所で、工業関係の研究所が立ち並び、おそらく高専出のピカピカのエンジニアが暮らしているのだろう、戸建ての家がまばらにあって、あとは広大な空き地となっている。
そこに住む15歳の女子高生が家に誰もいない夏の夜、子供部屋で寝ころんでラジオ番組、日課になってる「やまだひさしのラジアンリミテッド」を聴いていたら、喉がかわいて、レモンジュースを飲もうと階段を降りて、真っ暗な台所へいって、冷蔵庫を開けると... なんか変な感じがして... 振りかえると... そこにはあの恐ろしいユウレイが... という、鈴木コウジのホラーの現場にもなったところで、遠くから見るとハリウッドのマルホランド・ドライブみたいに崖の中腹に「住めば都田!」と書いてある、実はここが初音ミクの出身地なのだと知る人は少ない。