おかんアート


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夏休みをむかえた子供たちが公民館のワークショップに参加しているようだ。
http://d.hatena.ne.jp/kamoeartlove/
これについて、質が低すぎるって批判することは容易だ。
しかし、それは、なんとなく言いづらい。
なぜか?
人間のなす行為全般において、夢中になって何かをつくることと、ひどく醒めていて皮肉を利かせた批評をすることは、対立する。
この対立を解決するのが「職人芸」とよばれるもので、それは実用性を価値基準にして、夢中になって何かをつくる者に価値基準を与え、それについて批評する者を黙らせる手法だ。
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似たようなものとして「おかんアート」がある。

オカンアートとは主に中高年の主婦(母親=オカン)が余暇を利用して作る自宅装飾用の芸術作品の総称である。マスメディアやカルチャーセンターなどで紹介される手芸や工芸の手法を参考に、主に紙などの家庭内で生じる廃棄物を利用して作製されるため、概して安っぽい見た目である。また本人が制作活動に飽きるまではどんどん増えていき、室内をもっさりとした脱力系の雰囲気にしてしまうことも多い。
http://bit.ly/gwiRUZ

これもまた、批評する者を黙らせているが、その根拠は実用性ではない。
では何だ?
......教育?
要するに、この公民館のワークショップは、おかんアート*1なのだ。
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中国人の友人が結婚して、お嫁さんは知的水準が低くて性質が素直なほうがよい、と言っていて、私は逆だと思った*2から、素直さと批評性が鋭く対立する場面を描いてみた。

*1:桑原武夫の言い方をすれば「第二芸術」

*2:家で嫁が「モバゲー」とか「アメーバピグ」とか「韓流」とか見てたらどういう気になるか?