商品化と物質化


なんの倫理的な葛藤もなくビデオに出演することを選んだように見え、空気人形のように演技しているように見えるAV女優を見ていて。
身体の商品化(性産業の発展)と身体の物質化(医療の発展)は同時並行的な現象。
身体の交換可能性を上げる産業や技術は、無限大の交換可能性を目指して進んでいくのだろう。
*1
一方、今まで他のものとはやや異なる見方をされていた「感情」や「心」や「精神」といったものも、商品化へ向けて着実にすすんでいる。
メイド喫茶やイメクラやコスプレや、商品化はいろいろ試みられている。
とはいえ、これらは作り話の範疇にとどまっていて、物質化への道はまだ遠い。
しかし、やがては「感情」や「心」や「精神」が単なる脳内/体内物質の作用ということになって、いろんな感情を呼び起こしたり精神状態を体感したりする物質*2が開発されるのだろう。*3
今まで別様に理解されてきた事柄の商品化と物質化は、手をたずさえてどんどん進んでいく。
我々は、それに対する思想的/宗教的サンクション*4を持たない。*5
*6

*1:そういうのが厭になっちゃう人はメンヘラになって、しばらく経つと、小説や映画など、作り話の読み手になる。結婚して伝統的な価値観のなかに暮らすようになる人もいるかもね。

*2:その組み合わせまで個々の人体に応じて調合される

*3:認知科学分子生物学の融合ですね。

*4:何かをやってよいか悪いか決める拠り所

*5:たとえば現代日本で「ひよこの粉砕機」(http://korehasekai.blog57.fc2.com/blog-entry-640.html)みたいなものをどうやって考えたらいいのだろうか。国の法律では合法だし。「無為な殺生を禁じる」というのはいろんな宗教の戒律にあるのだけれど。

*6:「なくそう痴漢」 女子高生ら100人、ティッシュ配って痴漢防止呼びかけ」(http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-4417.html)とか見ると、少なくとも国の法律は規範としていちおう通用していることがわかる。ただそれが人々の行動や観念に対するサンクションになるかというと、別。