ヴィーダリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、蘇れ』
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2000/06/30
- メディア: VHS
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子供時代、「私は世界から迫害される」という思い込みを持つことって、いたって普通のことなのだろうか。
戦時下のユダヤ人ではないのだから、完全な思い込みなのだが、こんなこと普段は誰にも聞かないから、謎である。
6年ぶりに見てみると、当時見逃していたいろんなことに気づくから、別の楽しみがある。
脚本はとても単純だ。
ソ連の炭鉱街で陰鬱な日々を過ごす少年ワレルカが、所々で少女ガリーヤに助けてもらいながらも、ひとつの悪事が次の悪事を導くかたちで、徐々に悪の道へすすんでゆく。
逃亡生活のなかで、いくつかの惨事を目の当たりにし、おののくワレルカを、またしてもガリーヤが救い出す。
そして、あまりにも意外な結末。
ゴダールのように凝ったカメラワークとか、ヴィスコンティのように迫力ある風景とか、ブニュエルのような演技派俳優の競演なんてものはないけれど、それがまた、生々しくて悲しくて好き。