広中平祐『可変思考』
- 作者: 広中平祐
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/07
- メディア: 文庫
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朝いつものように珈琲を淹れたのだが、手が滑って火傷してしまった。
流水でよく冷やしたので、幸い大事には至らなかったけれど、今日は気力に欠けている。
うずくまってプルースト読みながらロードムーヴィーを見る、という休日の過ごし方は、いかにも怠惰すぎるから、かしこそうだが・かしこまってない文庫本を手に取る。
これはたぶん、世間ではハウツー本や人生論、と呼ばれるジャンルに属するのだろう。
子育て指南やら端数次元の考え方など、盛りだくさんな内容が、巧みな文体によってすいすい読める形になっている。
こういう書物を読むのって、ものすごく久しぶりなのだが、共感するところ多く、慰められる思いだった。
要するに、「何か考えていて、煮詰まりそうなら次元を上げたら?」という話。
僕がフィールズ賞をもらった「特異点解消」の理論も、新しい変数(観点)を付け加えて、複雑なものを簡単にする、といったものである。つまり、へんてこな非常に扱いにくい現象というのは、実は扱いやすいものの影である、という理論だ。突き出たり、不連続だったりという特異点、カタストロフィックなものがたくさんあるような図形は、そんなものがまったくないものの影を無理やり落として、影が重なったりしてできたものだというわけだ。(p.25)
ただし、この手の大物にしては珍しく、こんな忠告も忘れてはいない。
「頂上に達した人物の発言を鵜呑みにすることには危険がある」ということを、若い人は知っておいたほうがいい。(p.263)
現代の数学界に僕はまったく疎いので、広中さんの学説は現時点ぶっちゃけどうこう、という判断ができないのは残念だが、さしあたってココロは晴れました。
少しだけ熱があるので、クラブ活動はおやすみ。インターネットをする。
能登麻美子が楽しく麻雀しているのがおもしろい。
(http://www.nicovideo.jp/mylist/6518405)
関係ないけど「エンジェリック・コンサート」やってみたいな。面白いだろうか?
(http://www.success-corp.co.jp/software/ps2/angelicconcert/index.html)