煙に巻く。

戦場において、誰かがいると組織の士気が下がる、という状況はよくあることで、戦争遂行のためには、当事者を消すのが手っ取り早い。
そのとき、当事者を消すのにも、皆の前で出来る限り残虐な消し方をするのが、士気向上にはいちばん効く。
毛沢東語録 (平凡社ライブラリー)わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫)
まぁ、そういった形でリンチの対象にされる気配を感じた人間は、速やかに存在を群衆のなかに消して、目立たないように振る舞ったらよかろう。
血祭りにされてからでは、遅いから。
・・・
そんなことを思ったとき、煙草は、ニヒリストにとって最強の兵器だ。
己の素性を知らせたくない相手を、それとなく煙に巻くことができる。
のらりくらりとかわしてふっと消える、その消え方を修得したいなぁ。