宇野邦一『映像身体論』

映像身体論

映像身体論

ドュルーズの弟子の著作。
ブックカバーが綺麗だから買った。印刷用紙もよかった。しかし内容が乏しかった。
映像と身体の関係性って、一見ホットなイシューだが、現象学的記述スタイル*1をとった時点で、失敗が運命づけられているような書物だった。
だって、映像体験って現象学つかうもんじゃないでしょう。
まず、趣味があまりにもスノビッシュでこんな鑑賞方法は10代で卒業していて然るべきだし、参考文献の選択センスにも稚拙さが見受けられる。

目を見はらせる特撮、すさまじい効果音、破壊、爆発、血も凍る恐怖やサスペンスは見ないときまっている。(p.22)

また、数学まわりの術語の用法が甘すぎるため、浅はかさが見え透いて痛い。
こんなもの出版するとはどういう了見だろう。まぁ手に取った俺が負けだったな。

*1:もしかして間違っている?シュッツとかフッサールとか苦手で『超越論的現象学』しか読んでないのでまちがっていたら恥ずかしい。