博徒の眼。

競艇場の何が怖いって、死にてぇなぁ、みたいなことを思っている観客の眼の血走った冷たい眼のいろが怖いんだ。
大概1つのレースに600円かけたところで、1日負けても1万円まではいかないし、それで破産するやつなんていない。
あの無意味な轟音と振動のなか、誰かの運命に賭ける感覚って、だからこそたぶん、ニヒリストだけのものなのだ。