シベルネーチカ姫の冒険。

金融工学入門
このごろ面白いことが多い。
サイバネティックスは面白い。芸術解剖学というのも面白い。
東のエデン』も面白い。
攻殻』よりもゆったりしたペースで、ニートの人々が、どんな結末に連れられてゆくのか謎が多い。
(http://kimamaniyoutube.blog78.fc2.com/blog-entry-3298.html)
大岡山と本郷と上野の3極でキャンパスライフを動かしてみると、僕のような悟性のとぼしい半分眠ったような人間にも、途方もない量の情報が降ってくる。
というより、こういう楽しそうなカリキュラムを見ると、今まで過ごしてきた不毛な日々はいったいなんだったのだろう、と悲しくなってしまう。
(http://www.geidai.ac.jp/life/pdf/art2009_02.pdf)
大岡山で紹介してもらったこの本『金融工学入門』は数理統計でもなく確率・シミュレーションでもなく(本郷の金融論は前2者ばっかりだから難しい・・・)、オペレーティング・リサーチの方面から金融市場をoptimizeする方法を説いていて、数理的にテクニカルではあるのだが、僕にはむしろ、わかりよい。
僕は実際、金融現象にあんまり関心がないし、他にもコンピュータ・サイエンスとかゲーム理論とか計量系とか、兎角やることが多いので、金融は手っ取り早く済ませてしまいたい。というニーズにぴったりで、ありがたい。
この本を見ると、経済学/経済学史なんてものは人類創世このかた全く存在しなかったことになっているから、工学の人々は追加的な予備知識なしに読めて、とっつきやすいんじゃないかな。
無論、経済学なんてニーズがないのよ、と言っていた某Nという金融機関のおにいさんも、経済理論によって割とカンタンに記述される法則にしたがって動いているのだろうけれど・・・「どんな法則ですか?」と聞かれると、少し戸惑ってしまう。
それでは、経済学は無力なのか?
制度的裏づけ(直観的な例としては、成文法とか公教育とか伝統的信仰とか共同体内部の慣習だわね。)を持たない社会理論は、単なるヒューリスティックにすぎないのか!?
暗黙裡にアドホックな仮定をおいていれば、まぁ、そうだわな・・・
たとえば、こういうことやっても、成功したためしがないからね。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%B3%E8%A8%88%E7%94%BB)
このwikiでは生データの収集力*1とマシンパワーの限界があって予測精度が低かった、というテクニカルな面が強調されているが、実際には、既存の経済/社会システムに無理やり電子計算機を入れようとしたあたり、経済/社会システムの自己組織性という側面を甘く見ていたのではないか。
みたいなことを、似たような話について、前にセフレマップというフランスの国立研究所のおじさまが妙に流暢な英語で喋っていたことを思い出した。
とはいえ、Viable System Model (VSM)って、大岡山的なセンスでは、ちょっと未来的で格好いい気もする。
あと、CEPREMAPって日本のESRIみたいな組織なんだけど、ウェブデザインからしてセンスが違うんだよねぇ。
(http://www.cepremap.ens.fr/)
(http://www.esri.go.jp/)

*1:生データの恣意性は、現場を見るとなんとまぁ!!という具合なのだけれど、それは措いて・・・