『新しい郊外の家』

「新しい郊外」の家 (RELAX REAL ESTATE LIBRARY)
都心で建築事務所をやりながら房総半島に住み替えてしまった人の体験談。
個人的に今やりたいなぁと思っているのが、仲間うちで海の家を建てて、そこを共有できたらな、というプラン。
ぼんやりしたり、話したり、散歩したり、楽器やったり・・・
法律的に権利・義務をはっきりさせた形で、有限責任の団体を作って、損害保険とか組み合わせて運営できないかな。
都心と郊外の家を用途に合わせて使い分けるのが、21世紀の東京では先端的なのだろう。
都市から郊外までのっぺりと張り巡らされた安価で均質的でコンビニエントなインフラを使いつつ、都市の喧騒の中で人と会って情報を取り交わし、郊外の静けさの中で自然とともに暮らす。
ただ、この人の家の難点を挙げてしまうと、夢のある話にしては、なんとも房総の家が無機的にすぎるのだ。
少なくとも、家族を連れて移り住むような家じゃあないと思う。

例えば『新建築』や『住宅特集』に掲載されている住宅で、(住宅金融支援機構の提供する使い勝手のいいローンに関して)このフラット35の要件を満たす家はないだろう。(p.72)

(住宅ローンをうまいこと借りられず困った挙句)そして最後が、房総の敷地の近くで探す、というもの。
結果からいえば、これが圧倒的に正解だった。(p.82)

今まで、いくつかの個人住宅を設計してきたが、僕は設計プロセスの中で、ミーティングの時間が好きだ。どんな家族ですか、一緒に過ごすタイミングはいつですか、家族の中で何を共有し、何を区別したいですか・・・・・・聞くことは山ほどある。(p.96)