立川談春独演会

2009.1.9 1900-2100 @ 銀座ブロッサム
一.小言幸兵衛
一.妾馬

滑稽話と人情話の組み合わせ。場面転換がうまいね。
妾馬。
城へ行って、がさつ者の八五郎が、がさつなりに妹を思いやる、母を思いやる、という描写。
=○=

東浩紀, 北田暁大『東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム
東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)

スカイトレイン」の見える場所として東京ならどこから始めたらいいか、という視角のもとに、拾い読みしてみた。
結論からいくと、「駒込」「亀有」「つくばエクスプレス」あたりか。
2人の論客が街歩きをして、その後思ったことを言い合う全5章。
エスニック・マイノリティとか国民国家とかは、まぁ、この人たちが論じてもねぇ・・・というかんじ。
いくつかキーワードを挙げて、軽く引用をしてみる。
・東京の東側と西側

北田:なんとなく西側って馴染めないんです。
高円寺も阿佐ヶ谷もいい感じの街だとは思うのだけれど、どうにも落ち着かない。
足立、墨田、葛飾、荒川とか滅茶苦茶落ち着きますよ。(p.19)

東:中野区江古田に住めば、東京は漫画とオタクの街だと思うでしょう。
下北沢、高円寺、西荻窪に住めば「サブカル」の街だと思う。(p.20)

東:僕はそもそも筑駒に行っていたので県立高校の名前とか全然知らないわけです。
予備校講師をしていたとき「うち、××高校よりもランクが低くて」って言われても、さっぱり分からなくて困りました。(p.26)

北田:中学生ぐらいまでのときって、いちばん生産的に都市を受容しているような気がしますね。
東:僕は高校生のころ、渋谷西武百貨店B観の階のベンチが気に入っていて、よく塾に行くまでの暇つぶしでそこで煙草を吸っていた。(p.46)

・「ロハスな郊外」と「国道16号線

東:秋葉原−つくば軸は一見ジャスコ的ですが、なかには青葉台的でロハス的なスタイルを目指している街もあるでしょうね。(p.104)

北田:足立区は小中学校で学校選択制を取っているから、学校による違いはけっこう大きい可能性はあります。(p.138)

北田:荒川には南千住という街がありますが、あそこは典型的に郊外的な風景を作り出しています。もともと汐入というかなりゴチャゴチャした下町だったんだけど、再開発で徹底的に郊外化しました。駅前にはいかにも郊外といった感じの「LaLaテラス南千住」ができた。(p.206)

・雑踏と「人間工学」

北田:なるべく中国人が作る中華料理を食べたいというただそれだけの理由で、池袋にまたたどり着いたんですね。北口の「永利」とか、いくつかおいしい店を探し当てました。(p.170)

北田:ある種のリベラルな理論構想、たとえばセンのケイパビリティ論のような理論を、都市設計に応用した場合、「面白くない街」ができ上がる可能性はありますね。(p.195)

東:僕は今後は、大勢としては、町の記憶を犠牲にして、低コストでセキュリティやアクセシビリティを確保する人間工学的なデザインが都市を覆っていくのは、もはや避けられないと思うわけです。(p.240)

北田:私は「人間工学」の共同幻想が社会を動かしつつあると考える以上、何らかの形で意味的な違和を持ち込むことができるのではないか、と考えている。(p.290)