自分の語る言葉がこんなにも意味がないと思った瞬間、桃の缶詰を叩き割った。
落ちた桃缶をくわえたら砂の味がした。


=○=


引っ越そう、そう決めた。
出来るだけ早く。
焦茶色した街が、幸せすぎる幻影が、見えなくなる場所へ。
早く。
そそくさと支度をすまして、誰も待ってない街へ。
急いで。
祭の中へ。
東岸へ。
早く。急いで。