#16 白い街
- 作者: 川本史織
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2012/12/29
- メディア: 大型本
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- 作者: 青山裕企
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2012/11/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ネットで見つけた1枚の写真から、ある地方都市の1軒のラブホ周辺のうらぶれた路地裏にいきついた。大きな商店がつぶれて空き地になったことで人の流れが途切れた一帯のすすけた路地裏の車庫の小さな階段にフィリピン女が腰かけて「ちょっと寄っていかない?」って、けっこうさみしい、あの感じ。
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以前に懇意にしていた女性が海外へうつったのだが、どうやら突然わきたつような情熱にかられたというようなこともないようで、寒そうだな、大陸の冬かぁ、というようなことをネットで知る。しかし、その人はたいそうおもしろい人であったので、それからのちに会った人々、たとえば、『CATS』とスピッツとくるりとフジファブリックが好き、みたいな飛烏井千砂さんみたいな感じの女性とか、いい人なんだろうけれど、話していて退屈でやりきれない、こんなのと四六時中ずっと顔を突き合わせていたら気が狂う、という感じを強くいだくようになった。たとえるなら、自動車で高速道路にのっていて、一般道路に降りるとしばらく「遅っせえなぁ」といらだつ、あの感じ。女性に関しては、あれがもう数年つづいている。たまに、そういうちんまりした女のどこかに「萌え」のポイントを見つけて、ひとりでそこを突っついているうちに、運よく話のいとぐちがみつかるようなことはあるけれど、なぜか、すぐ変なこと言って振り払ってしまう。そんなことの繰り返し。
アリ塚に小枝をつっこむチンパンジーのことを考えながら、耳かきした。