幸福な町と家族


幼年期の傷口の浅いひとと浅からぬ傷を負って生きているひとのちがいは、何をふつうと感じあるいは避けたいと願うかという差になってあらわれる。
個人的な禁忌。
ある言葉にとくべつ神経質に反応したり、小説や映画や漫画の話のなかに描かれたある設定にだけ気分がわるくなったり、色とか形とか音とか。当時こわかったこと。
たとえば孤独感って、昔すごした時間の流れかたとか人との関わりによってある状態を日常と感じ、他の状態を異常と感知するうちに生ずる。
そういう時間の流れをかたちづくるのは、たとえば家族というユニットにおいての経験だったり。町という空間現象を体感するという経験も関係あるのかな。