正月。

とんでもないところに来てしまった。
実家にきたらレンタル屋がつぶれていてたまげた。
それ以上に実家そのものが節約大作戦にはいっていてパソコンもDVDプレーヤーも液晶テレビもCDラジカセも本もゲームも自転車も何もないのだ。
地上波テレビ見るか、あいふぉんで遊ぶか親の小言きくか、持ってきた5kgの本よむか、他には煙草と酒くらいしかすることがない。「さくら」と「ダンヒル」合わせて5箱持ち込んでよかった。
見わたすかぎり草原と民家ばかりだから、散歩にも飽きちゃってプルースト読んでる。
月と星と雲と草原がきれい。ビル風のような強風が吹いていて凍えそうだが。
連尺本店の店長さんと久しぶりに喋ったら、駅前さびれちゃったから閉店するかもとか、郊外の店では何を売ったらいいかわからんとか、河出書房いいねとか高橋和巳いいねとかいう話題になって、相変わらずたのしかった。
あの店にちゃんとドゥルーズフーコーが並んでいた最後の時期に通うことができた自分は、案外しあわせものだったのかもしれない。ま、みんな郊外に流れていけばいいさ。僕にはもはや関係のないことだ。