♪ Music For Airports / Brian Eno

ちょっと危なっかしい言葉の連なりをためしてみると・・・
まず、主観にとっての時間がある。
そして、主観にとっての時間をまとった空間がある。
空間の経験は、主にはそこを横切っていく過程における経験として解釈される。
ということは、目的地はなく、ただそこを横切っていくこと、意外とそちらのほうが、生きるということに近いのかもしれない。
東京駅の内装をだれか、「そこを横切っていく喜び」に向けて、変えてくれないか?
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ずっと前、ずっとずっと街じゅうを彷徨っていた頃、大きな週刊誌の看板を掲げた旧い商店とそこを含むちいさな路地一体の雰囲気が妙に気に入って、心のどこかにしまったままにしておいた。
それからしばらくして、引越しの準備をしていたときに立ち寄った街にも同じように大きな週刊誌の看板を掲げた旧い商店があり、そこに偶然の符合を感じて、今いる場所に住むことにした。
日がのぼり、日が暮れて、ところが、このごろ日中でも路地にある全ての店が閉まっていることを不審に思っていた。
不況の影響にしては出来すぎている。
よくよく見ると、不動産会社の貼り紙があって、ここもマンション開発の対象となったらしい。
みんなみんな、薙ぎ倒されてゆく。