不定点観測

不定点観測
東京都庁の22時。
新宿駅からそう遠くもない場所にある、広告だけはいやに派手だが実績のほうはまるで怪しげなアナウンサー養成学校のようなところへ所用で行った帰り、慣れない種類の人々との会話に少しだけ倦んでしまったので気晴らしに都庁の展望台へのぼってきた。
彼女たちのように希望だけを持って堂々と生きることは、自分にはできそうもない。


=○=


地下に降りて気詰まりなピロティを抜けあくまで形式上のものでしかないセキュリティ・チェックをくぐると、上りエレベーター45階行きの扉が開き、外を見るための窓が一切ついていないため摩天楼を滑っていることが気圧の変化による鼓膜の違和感によってしか感知しえない、というデート・スポットとしては致命的な部類に入りそうな欠陥を抱えた箱の中には、

…この後はまだ書く技術がない。
でも、まあその程度の話かな。
自分には追想可能なものの見方しか出来ないし、つまり類型論しかできないということ。
そこには予定調和の安堵感と、それからあの安易に「共感」と呼んでしまいそうな下らないものが待っている。
現状認識としてはこんなもん。

そういえば前にここ来たっけな、というのを、微妙に思い出したりした。
同じ時期に…ちょうど今日いた2人みたいな立場で。
自分は永遠にこうした「不定点観測」を続けるのだろうか。
あやとり…


=○=


・焦りと安らかさ
焦ったって仕方ないけど、つかのまの安堵感を得るためだけに群れをなす必要はない。
昨日ある集まりに久しぶりに顔を出したら、なるほどこれは随分安堵感とは縁遠い集まりだな、と思いつつも、それが今ではむしろ心地良い。
英文科の先輩は朝からウィスキー飲みながらブコウスキー読んでるそうで、何処までもどうしようもない話が何処までも続いていって、最後少しは展開があるかと思いきや矢張何処までもどうしようもないまま終わる、という世界文学の傑作…を本郷の本屋で確認したら埃をかぶったまま並んでいた。
嘆かわしいことよ。


=○=


・土方ファンは浮気しない。
女子校での土方歳三人気の安定性について。
正直よくわからない。


=○=


昨日はしゃべりすぎた。
相手はその筋の人で、したり顔で話せるような相手じゃなかった。
最近自分が妙に饒舌なのが気に障る。
お前に語るに足る人生などあったか?