宇田川町のTAKA


前からずっと、宇田川町あたりのレコード屋には近寄りがたいと思っている。
知識量の多寡そのもの、つまりこちらがモノを知らんことが問題なのではなく、豊富な知識量をありがたがる、あの過度に情報に依存したありよう*1が原因。
宇田川町あたりの音楽は、音が鳴って楽しいというより、ワインやスシの蘊蓄と似ている気がする。
うまいというよりティスティング。
気持ちいいというより情報武装

銀座の寿司屋にしても良い評判はきくけど、若い娘と同伴の人とか、外資系金融機関のバブル営業とか、そういうのが中心だから、目的−手段のけちな枠にとどまっていて味気ない。

ワインが葡萄を摘んであれこれすれば作れるように、スシが魚を釣ってさばいて酢飯に載せれば作れるように、音楽も声を出したりその辺のものを叩いたりすればいかようにも作れる。
いろんな手法的洗練はその上にあって、既存の手法が最初からあったわけではない。
うまく言えないのだけれど、記号は意味でしかなくて、そんなの何もおもしろくないと思う。

同じような品物を扱っているけれどAよりBのほうが親しみやすい。
A
東京渋谷宇田川町のレコード店 「テクニーク」
http://www.technique.co.jp/
東京渋谷宇田川町のレコード店「マンハッタン・レコード」
http://manhattanrecords.jp/
B
京都三条レコード店「パララックス・レコード」
http://www.parallaxrecords.jp/

・・・

幼い頃、うちの父親が車を運転していて郊外の通り過ぎるものについて「これはアレだよ」って持ち主がかわったの何だの今ならグーグルマップに付いているような情報をひとつづつ言っては何の会話もなく次々と車窓に見えるものについて何か知ってる情報を言うような、機械仕掛けのバスガイドさんのような、単なる記号の流通みたいなものを全くおもしろいと思わないっていう、それと同じことだと思う。
さて、話をどこに進めたらよかろうか。

*1:電通な人々。