おどろおどろしきもの

大きな本屋の医学書の棚に行ってマッサージの手技を解説した本を探していた。
横に解剖のテキストがたくさん並んでいたので手に取って見てみた。
メスの選びかたから始まって、皮を剥いだり内蔵を剥き出しにしたり、阿鼻叫喚の光景が続く。
こういったものがすっかり清潔な装いのもと病院のなかに整然と収められている現在からすると、近代医学の黎明期あるいはその少し前、生身の人体というおどろおどろしきものに人々はどのように対峙していたのだろうか、想像もつかない。
手始めに『蘭学事始』を繙いてみる。