中村雄二郎『共通感覚論』

共通感覚論 (岩波現代文庫―学術)

共通感覚論 (岩波現代文庫―学術)

「コモン・センス」という言葉は2つの異なる意味をもつ。

①常識(ある社会の構成員がわきまえていてしかるべき事柄)
②共通感覚(人間の五感を統合する方法のうち、ある社会のなかで慣習化されたもの)

本書はこのうち後者の意味についての論考。
古今さまざまな学説・作品を挙げ、共通感覚の中に生きる人間や芸術について、いろんな解釈がなされている。
着眼点はすごく気に入ったのだが、博覧強記の著者の手になるものだから、先人の学説の紹介が多すぎて、やや読みづらい。
催眠やサイコ・エクスタシーに興味があるが、まだまだ奥が深そうだ。