江戸っ子のまねをする。

山東京伝によると、江戸っ子の定義は以下の5つの条件をすべて満たす人、ということになるらしい。

江戸っ子の条件(『江戸学辞典』弘文堂より)
1. 生まれたとき、江戸城の鯱を見て水道の水で洗い上げたこと
2. 金ばなれがよいこと
3. 乳母日傘での高級な育ちであること
4. 他国から入り込んだのではなくて、早くから生粋江戸のはえぬきであること
5. 町人同士の対抗関係のなかで主体性を維持する「いき」と「はり」を本領とすること

今回はこのうち2番と3番と5番を実践すべく、江戸のまちへ繰り出してみた。
朝から夕暮れまで社会調査バイト。その後キム・ギドクの映画『悪い男』を例の大型スクリーンでひとりで見る。
ふと思い立って、上野のブルセラショップに出掛けたが、雑居ビルの上層階へつづく階段のあまりの不潔さ・不気味さにおそれをなして、店までたどりつけなかった。勇気を出して、また次回。都市空間をめぐるフィールドワークは続くのです。
それから、相撲の力士が通っているという鶯谷焼肉屋鶯谷園」へ、ひとり出掛ける。
結果的にバイト代相当分をすべて注ぎ込んだようなかんじになる。本日は他に出費はゼロだったので、エンゲル係数はまさかの100%。
焼肉屋に行ったら、いかにも代理店Dにいそうな、「笑ゥせぇるすまん」のような顔をした男が3人猥談に興じていた。
和牛商法と広告代理店の関係を知ったような顔して話し込んでいるのを見るのが、面白かった。
鶯谷、歓楽街のないホテル街、というものを夜はじめてまともに歩く。
客引きもほとんど出ていないので、無人の小路にはネオンサインの不気味さだけが際立っていた。
時折擦れ違うのは、火曜からホテルにしけこむ中年の人々の宿屋を品定めするうろうろと頼りない足取り・・・やはり盛り場は楽しいね。