約束、という言葉。
束ねる、という漢字が使われていることだけ取っても、凄い言葉だ。
ひとつかみになった情報の束。
何の約束もないまま、不即不離のままいられる関係、僕はここにいてもいいんだ・・・というものを未だ信じられないでいる。
約束を重ねることなしには、みんなどこか遠くへ行ってしまうのだから。
ものすごいモビリティ。
ゆく河の流れは絶へずして・・・
=○=
・ポニョ見た。
子供の目線で「冒険」とか「お化け屋敷」のような、夏休みっぽさを表現しようとしている。それはわかる。
たとえば、交差点の隅でうずくまること、そして通り過ぎるものに眼をやること。
貨幣のない世界、共同体のある世界、労働のある世界・・・
アニメーションも動きが多いし、親子連れで見るには、それなりの出来ではないか。
安楽椅子に座ったまま「津波」や「初恋」を体感できるのは、きっと安心な娯楽なのだろう。
自分が親だったら、こういうものには絶対に連れて行きたくないけれど・・・
しかし、後半、「セカイの割れ目が・・・」という切り出しから、なんと村上春樹のような話に化けてしまい、意味がわからない、というより、単純にだめだろこの映画、というのが感想。
説話論的にいえば、味方と敵という二項対立を避けるための方策なのだろうが、その結果、話を進めていく上での因果関係(たとえば、ポニョが人間になると具体的に何が変わるのか)の説明がおざなりになり、結果として何のことやらわからない、という終わり方になっている。
老婆たちがやけにピースフルに描かれていて、むしろそこがいちばん怖かった。

ジブリとハルキを足した、という意味では最近見たこっちのほうがよかった。
色彩とか、人の顔とか。映画くらい自分の好きなの見たい。