♪ 揶揄 / RADWIMPS
「この世界のことだったらだいたいわかった」ことにしてしまいたい。
こころが焦点を結ばない。
うつ状態のサイン。気をつけなければ・・・

=○=

・迷路。

統合失調症の発病過程は、チェルノブイリの事故に似ている。無理に出力を上げようとして、ちいさな破綻や失調の連鎖が起こり、それが破局までゆく。ゆかなくて済んだかもしれないし、そういう場合が実際には暗数としてずいぶんあるのだろうな。」
事故分析家・柳田邦男の名言に、事故とはこういうものだというのがある。迷路というのは入ったらなかなか出られない。そういうものが、ほとんど迷路の定義だと言っていい。しかし、確率的には稀なんだが、迷路に入って障害にぶつからずにすっと出られる場合がありうる。それが事故だという。迷路とはまさに安全装置。特に積分回路認知システムはその役をしている。原子炉と同じく、中枢神経系は非常に危険な代物だから、原子炉と同じく百分の一くらいの安全率をかけて運転しているのだろう。チェルノブイリでは暴走の直前には四百倍の出力が出たという。
中井久夫『徴候・記憶・外傷』より「世界における索引と徴候」

「爆ぜる」こと、制御不能になる瞬間について考えてる。

=○=

・身代わり。
「文学とか哲学ってさ、絵や音楽もそうだけど、誰かの影響って大きいじゃない。
 わたしには17歳のとき決定的影響を与えた人がいて・・・」
例えばの話、誰かがそんなことを言うとする。ゲーデルを知ったとか・・・
このとき、「身代わり」は誰もいない。
それに対して。
9.11が起きたとき、「人的損失」について考えた。
あの建物で働いていた人がいなくなってしまったら、世界は一体どうなってしまうのか・・・

つねづね考えてきたことだが、決済システムが破壊されれば、アメリカ経済は麻痺する。銀行は貸金の決済にあたって、紙幣や証券を受け渡すというおそろしく非効率な方法に戻るしかない。企業は物々交換や借金証書を使うしかなくなる。全米の経済活動は底なしに落ち込みかねない。
グリーンスパン『波乱の時代』

しかしそれからも、「世界経済」は何もなかったかのように、ぐるぐる廻っていった。
このとき、「身代わり」はいくらでもいる。

AにとってBの「身代わり」がいないこと。
それをAから聞かされているCが、きっと自分だ。